福岡黎明社とは

福岡黎明社は、昭和45年11月25日「楯の会事件」によって自決された三島由紀夫・森田必勝両烈士を顕彰し追悼する「福岡憂国忌」を実行している団体です。「福岡憂国忌」は最も古くから途絶えることなくつづく憂国忌の一つです。

小室直樹博士著『三島由紀夫が復活する』(昭和60年/毎日フォーラム)には、第14回福岡憂国忌のポスターが掲載されています。残念ながら、平成31年に毎日ワンズから再刊された新書版には掲載されておりませんが、福岡憂国忌の歴史を証明するものであります。

福岡黎明社 五章

一.わが福岡黎明社は、一切の名利を越えて、真に愛国の至情に徹する同志を以って組織する。
一.社同人の構成に於いては、来るものは拒まず去るものは追わずといえども、徒らに数をたのまず精鋭主義を採る。
一.わが社の主行事として、福岡憂国忌(三島由紀夫・森田必勝両烈士慰霊祭)を斎行し、この精神を奉じて諸般の研修、行事を実行する。
一.わが社を運営するため、別に定める規定により、夫々の役職を設けてその義務を果す。
一.わが社の必要とする経費は、社同人の拠出に依るを原則とする。
昭和54年3月 設立

活動内容

◆勉強会(⽉2回)三島由紀夫の著書輪読、解説、意⾒交換/時事問題討論
◆福岡憂国忌(年1回)の主催
◆機関誌の発⾏(年1回)

会員区分

◆普通会員/年 5,000 円(年刊機関誌1部送付)
◆賛助会員/年 20,000 円(年刊機関誌4部送付)
◆法⼈会員/年 50,000 円(年刊機関誌10部送付)

代表者・役員

代表:黒田光弘
副代表:藤井守人
事務局長:本山貴春

福岡憂国忌について

私たちは毎年、福岡憂国忌において三島由紀夫・森田必勝両烈士のみたまに向き合い、恥ずかしくない一年であったかを振り返ります。それは祖国再生のために、存分に戦えたか、という問いです。

私たちは慰霊や顕彰のためだけに福岡憂国忌を挙行しているのではありません。三島由紀夫の精神を受け継ぎ、人生を賭けて行動する誓いを立てるために、その証として憂国忌を開催しています。

福岡黎明社の辻幸男・元代表は「死ぬまで福岡憂国忌をやるんだ」と述べ、その通り、最後まで憂国忌を準備しつつ急逝しました。われわれが受け継ぐのは、そんな辻幸男氏の精神でもあります。

三島事件をリアルタイムで知る世代が減少していく中、いかにして三島精神を伝えて行くか、容易なことではありません。しかし私たちにはそれを伝える義務があります。何よりそれが義挙であったことを、伝えていく所存です。

50年経っても事件の衝撃が薄れることはありません。また、三島文学の魅力は輝きを増すばかりです。三島由紀夫こそが戦後日本最大の人物であると、私たちは確信するのです。日本が戦後体制を脱却する鍵も、三島の思想と行動にあります。

「三島由紀夫がいまの日本を見たら何と言うか、何を為そうとするか」を、私たちは常に考えます。もちろん正解はありません。しかしそうすることで、困難から逃げず、戦いを続けられるのです。

三島由紀夫は天才といわれますが、それ以上に努力の人であり、克己の人です。己を甘やかさない人です。決して困難から逃げず、自分を誤魔化さない人です。簡単に真似はできませんが、こんなお手本が戦後日本にいたことに感謝します。

三島由紀夫と森田必勝が死をとして訴えた宿願はまだ果たされておりません。従って、福岡憂国忌も50回で終わることはできません。世代交代しつつも、継続して参ります。