第53回福岡憂国忌のご報告

令和5年11月23日、筥崎宮参集殿にて第53回福岡憂国忌を斎行しました。筥崎宮様による神事に続き、式典では福岡教育連盟の山内省二執行委員長に来賓のご挨拶を賜りました。檄文朗読は福岡黎明社の浦本優也が務めました。

記念講演として衆議院議員(福岡2区)の鬼木誠先生に「日本防衛の現在」と題してご講演いただきました。最新の国際情勢をもとに、国防に関わる貴重なお話をいただき、質疑応答も活発に行われました。

約100名の皆様にご参列いただきました。また、多数のご奉仕もありがとうございました。

代表謝辞

福岡黎明社代表 黒田光弘

本日は第53回福岡憂国忌の斎行(さいこう)にあたり、衆議院議員で元防衛副大臣の鬼木(まこと)先生にご講演(たま)りましたこと、深く感謝御礼(おんれい)申し上げます。鬼木先生、ありがとうございました。

申すまでもなく、私共(わたくしども)がこんにちまで一度も欠かすことなく、毎年、福岡憂国忌を継続しておりますのは、日本の今日(こんにち)(てき)課題に取り組むためです。

われわれは昔を(なつ)かしんでいるのでもなく、「日本は良い国だ」と(えつ)()っているのでもありません。

「憂国忌」とあるように、国を(うれ)えているのです。その意味で、直近(ちょっきん)まで防衛副大臣を(つと)められ、現在も自由民主党で国防に関する重責(じゅうせき)(にな)われている鬼木先生に、三島由紀夫・森田必勝両烈士の御霊(みたま)の前で、国防問題を語って(いただ)くことは、極めて意義深いことであります。

わが国はかつてソ連から侵略を(う)け、多くの国民がシベリアへ抑留(よくりゅう)され、奴隷労働を(し)いられました。ソ連の後継ロシアは、いまだに北方領土を不法に占拠(せんきょ)し続けております。ウクライナと日本は同じです。

北朝鮮は不法に日本国民を拉致し、その数は警察が把握しているだけで871名にのぼりますが、突如(とつじょ)としてイスラエルを攻撃し、民間人を殺戮(さつりく)し、人質として拉致したハマスは、イランを通じて北朝鮮と繋がっています。イスラエルは日本と同じです。

しかしわれわれは、ウクライナ人のように戦っているでしょうか? イスラエル人のように戦っているでしょうか? せめて彼らに(よ)(そ)い、(こころざし)をともにできているでしょうか? あるいは、国を守るため、国民を守るために、彼らの姿勢に学ぼうとしているでしょうか?

わが国は戦後ずっと、外国の戦争やテロを、どこか他人事(たにんごと)のように(なが)め、無責任に論評(ろんぴょう)してきました。それは、(いま)だに(い)えぬ(やまい)です。そのしっぺ(がえ)しは、目前(もくぜん)(せま)る台湾有事によって、(た)(がた)い痛みとして、日本人全体を(おそ)うのでしょうか。

岸田文雄(ふみお)総理大臣は、就任以来たびたび「総裁任期中に憲法改正を実現する」と明言して来られました。来年9月の総裁任期までに憲法改正するには、いま開かれている臨時国会の間に、憲法審査会で改正条文案を決定し、来年の通常国会冒頭に、国会本会議へ、原案を提出しなければ間に合いません。

わが国を取り巻く国際情勢悪化が、憲法改正を政治的スケジュールに乗せようとしております。岸田総理と自民党幹部には、いまこそ、三島由紀夫烈士の叫びを思い出していただきたい。

来年こそ、初めての、憲法改正のための、国民投票を行わねばなりません。そして、一日も早く、憲法9条2項を破棄(はき)し、自衛隊を国軍、真の国軍とし、日本の歴史と伝統と文化を守る、建軍の本義を明らかにせねばなりません。

その日のために命をなげうったのは、三島由紀夫・森田必勝両烈士だけではなく、全国の、名もなき数多(あまた)の同志が、その生涯(しょうがい)(ささ)げ、われわれも、その道を(あゆ)んでいることを、はっきりと申し上げます。

第53回福岡憂国忌斎行にあたり、ご尽力いただきました筥崎宮様、諸団体の皆様、ご参列の皆様に改めて感謝申し上げ、代表謝辞といたします。まことにありがとうございました。