令和元年11月23日、筥崎宮参集殿にて第49回三島由紀夫・森田必勝両烈士慰霊祭「福岡憂国忌」を開催したところ、100名を越える皆様にご参列賜りましたこと、深く御礼申し上げます。また、ご協賛・ご奉仕等、多くの皆様のご支援によって開催できましたこと、心より御礼申し上げます。
福岡憂国忌は、昭和45年「楯の会義挙(三島事件)」の翌年から開始され、今回で実に49回目を迎えることができました。これも一重に、福岡県内外の有志の皆様の支えによるところです。
例年、記念講演には有識者や政治家の先生方を講師としてお迎えし、三島由紀夫の思想と行動、文学、憲法改正論や時局問題について語っていただいて参りました。今回は初めて、「一人演劇」という芸術分野を創始された中島淳一先生に三島文学の演劇化を依頼し、福岡憂国忌の場において上演いただきました。
改めて申すまでもなく、三島由紀夫烈士は文学者として戦後日本における「時代の寵児」であり、同時に、その劇的な最期から「時代の反逆者」としての相反する面を持っています。そのことで、楯の会義挙の歴史的政治的評価は、没後半世紀を迎えようとする現在も定まっているとは言えません。
私ども福岡黎明社は、文字通り文武両道を一身に体現し、戦後日本に強烈な爪痕を遺した三島由紀夫烈士と、義挙に殉じた森田必勝烈士の偉業を改めて問うべく、義挙50周年プロジェクトを企画し、その一環として「一人演劇」の上演に踏み切った次第です。
中島淳一先生におかれましては、私どもの無理なお願いを快く引き受けて下さり、三島文学の最高傑作といわれる『金閣寺』を原案とした『金色の炎』を独自の解釈で制作し、見事に演じきっていただきました。ここで改めて、悠久の国文学史に輝く三島作品が甦ったのです。
今後、中島先生の演劇作品『金色の炎』が全国全世界で上演されることを熱望するとともに、私どもとしましては第50回福岡憂国忌を盛大なものとし、三島由紀夫・森田必勝両烈士の精神を恢弘すべく鋭意努めて参る所存です。
何卒、今後ともご支援の程宜しくお願い申し上げます。