三島由紀夫読詠会@福岡『美しい星』3/26(木)19:00-

ノーベル文学賞候補にもなった日本が誇る文豪・三島由紀夫の文学作品の朗読会です。難解と思われがちな三島作品ですが、声に出して読んでみると理解度が深まります。

三島作品を読んだことが無い方も大歓迎!是非お気軽に体験して見てください。参加費は無料です。

今回のテーマは三島由紀夫による長編『美しい星』です。本作は平成29年に吉田大八監督によって映画化(主演:リリー・フランキー)されたことでも話題のSF小説です。吉田監督は学生時代に本作を読み、30年越しの念願叶って映画化できたと語っています。熱狂的ファンの多いカルト的作品ともいえます。

興味のある方は是非お気軽にご参加ください。

作品紹介

「あの三島がSF小説?」とお思いになられる方もいらっしゃることでしょう。

実際、日本では宇宙人だの空飛ぶ円盤だのと言っただけで、まともな小説と見なさない、色物扱いする傾向があります。

しかしながら、欧米では、舞台設定は架空の物であっても、それ故に逆に自由に設定できるテーマを基にして、思索を繰り広げる文学を決して低いものとは見なしません。代表的なSF作家であるアシモフやアーサー・C・クラークなどに対する評価は非常に高いものです。

この『美しい星』は終末論がベースとなっており、後半の討論部分は、ジョン・ウィンダムの傑作『トリフィドの日』にも勝るとも劣らない熱の入った優れたものだと思います。

このように書くと、また取りつきにくそうなイメージを与えそうですが、実際読めばお分かりの通り、この作品は極上のエンターテイメント小説で、一気に読めてしまいます。筒井康隆が、この小説を絶賛したのも頷けるものです。

そして、文章の硬質な煌めきはやはり、さすがとしか言いようのないもので、妻が夫のためにリンゴの皮をむくといった些末な場面ですら、

伊余子の確信にあふれた手は、深夜の燈火にナイフをきらめかせて、大きな印度林檎の、紅から黄に、黄から浅黄に、浅黄から白におぼめく繊細な色あひのつややかな皮を剝いた。
(三島由紀夫『美しい星』より)

となる訳で、三十代後半となり、いよいよ円熟の境地に入ってきた天才作家の熟達の筆の冴えを存分に味わえます。

この素晴らしさを、多くの方と共有できたらと思っております。奮ってのご参加お待ち申し上げております。

(石原志乃武)

読詠会の手順(90分)

①代表朗読(5分)
②解説(5分)
③ディスカッション(10分)
④一斉朗読×2回(10分)
以上を3回(3箇所)行う